自分がわきがかもと悩んでいる方は必読!汗の臭いとわきがの臭いの違いについて
「あまり汗をかいていないはずのに、なんだかワキが臭う……」そう感じたことはありませんか?もし思い当たる節があれば、それは汗ではなくわきがによる臭いかもしれません。
混同されがちな汗とわきがの臭いですが、臭いの元となる汗が分泌される場所はまったく異なります。汗とわきがの違いを正しく理解し、適切なニオイケアに取り組みましょう。
汗とわきがのニオイの違い
ワキの下から、鼻を突くような刺激臭を感じたことはありませんか?もしそれが玉ねぎや鉛筆芯、生乾きの衣類に近いニオイであれば、わきがである可能性が高いと考えられます。
一方、汗はすえたニオイや蒸れてこもったニオイに近く、わきがのような苦みを感じることはありません。双方のニオイを嗅いだ経験があれば、汗とわきがの区別は簡単につくでしょう。
では、ワキの下から発生するという点では共通しているのに、なぜこれほどニオイの質に差が生まれるのでしょうか。その答えは汗を分泌する汗腺の違いにありました。
まず、一般的に汗臭いと表現されるニオイは、エクリン汗腺から出る汗によって起こります。エクリン汗腺から分泌される汗はほとんどが水分であるため、基本的にサラっとしておりニオイはありません。汗とともに流れる皮脂や角質を常在菌が分解することで、蒸れたような汗臭さが発生するのです。
一方、わきがの原因となる汗はアポクリン汗腺というところから分泌されます。アポクリン汗腺から出る汗はさまざまな成分を含んでおり、これが常在菌の格好の餌なのです。
そして、脂質やタンパク質を含んだ汗を菌が分解することで、苦みのあるツンとしたニオイが発生します。
わきがのセルフチェック方法
ワキのニオイの原因が汗なのかわきがなのか、自身で判断することは容易ではありません。人は他人の体臭には敏感ですが、嗅覚が慣れてしまうため自分の体臭には鈍感になるといわれています。
ここでは自宅で簡単におこなえるわきがのセルフチェック法をご紹介しますので、当てはまる項目がないか確認してみてください。
耳垢が湿っている
わきが体質かどうかを知るうえで、耳垢は重要な判断材料です。
耳の中にもワキ同様にアポクリン汗腺が存在しており、わきが体質の方は耳垢が軟らかく湿っているという特徴があります。綿棒で耳の中を軽く擦った時に、キャラメル状の茶色い耳垢が付着する方はわきが体質である可能性が高いといえるでしょう。
家族にわきがの人がいる
わきがは遺伝の影響を強く受けるといわれています。そのため、親や兄弟、親戚にわきがの人がいる場合、わきが体質を受け継いでいる可能性が高いです。
ワキの毛が濃い
ワキ毛が薄い人よりも濃い人の方が、わきが体質の傾向が強いとされています。女性の場合は毛が太く毛量の多い方、男性の場合はワキ毛が軟らかくフワフワとしている方がわきがを発症しやすいようです。
衣類が黄ばむ
シャツやブラウスなど、薄い色の衣類を着用した時はワキの部分を確認してみましょう。もしワキ部分に黄色いシミが付いている場合、わきが体質であると考えられます。
これはアポクリン汗腺から出る汗に含まれる着色成分によるものです。同じくアポクリン汗腺が存在するデリケートゾーンのVラインにも黄ばみが付着するケースがあります。
わきがを改善するには
残念ながら、わきがの原因となるアポクリン汗腺の数は自力で減らすことができません。しかし、汗の質を改善することで、わきがのニオイを軽減することは可能です。
そのためには、汗を流す習慣を身につける、体臭を強めるような食事の摂取を控えるなど、生活習慣の改善をおこなうことが重要となります。また、汗をかいたあとは体を洗う、汗を拭き取るなど、身だしなみにも細心の注意を払うようにしましょう。
一方、中症以上のわきがの場合、これらの対策だけでニオイを完全に防ぐことはできません。わきが体質を治療するためには、医療機関でわきがの改善手術を受ける必要があります。
メスを使ってワキの下を切開するため多少の負担はかかりますが、アポクリン汗腺を除去できることから高い効果を期待することができるでしょう。
また、負担の少ない治療を希望する方には、切開手術だけでなくビューホットを用いたレーザー治療や、発汗を抑えるボトックス注射などの選択肢もあります。切開を必要としない治療であれば術後の負担も少なくて済み、すぐに通常の生活を送ることが可能です。
カウンセリングでは治療法の他に手術のリスクや料金なども知ることができますので、気になることがあれば質問し、治療に対する不安を解消していきましょう。
おわりに
ニオイの悩みというのは、なかなか人に相談できず深刻化しやすいデリケートな問題です。特にわきがは自身でおこなえる対策に限界があり、症状が重くなるほどセルフケアだけでニオイを完全に取り除くことは難しくなります。
医療の技術が進歩した現在では、痛みや負担の少ない方法で治療することもできますので、まずは怖がらずにクリニックのドアを叩いてみましょう。