オナニーをしすぎると薄毛になるという噂は本当?オナニーで薄毛になってしまうのかを解説
「毎日オナニーをするとハゲる」「オナニーは薄毛の原因になる」――このような噂を耳にしたことはありませんか?薄毛のリスクを少しでも下げるため、禁欲に取り組んでいるという方もおられるでしょう。
しかし、各所でささやかれているこの噂は果たして本当なのでしょうか。当記事では、この噂の真偽を検証していきます。禁欲生活を始める前に、オナニーと薄毛の関係をきちんと理解しておきましょう。
オナニーすると薄毛になるのは本当?
毎日のようにオナニーをしていると、髪が薄くなりハゲやすくなるという噂は有名ですよね。男性にとって噂の真偽は非常に気になるところですが、結論からいってしまえばオナニーと薄毛はほぼ無関係です。そのため、この噂は嘘だと考えられます。
では、一体なぜオナニーをすると薄毛になるという根拠のない噂が拡散されてしまったのでしょうか。
恐らくそれは、オナニーが男性ホルモンを増やすというイメージが定着していることが原因でしょう。薄毛と男性ホルモンには強い繋がりがあるため、このような噂が事実と捉えられてしまうのも無理はありません。
しかし、実際にはオナニーで男性ホルモンが増えるという確かなデータは存在せず、オナニーをしたからといって男性ホルモンが増加し薄毛に繋がるとは考えられていないのが現在の状況です。
薄毛になるメカニズム
薄毛にはいくつかのタイプがあり、男性を中心に発症する薄毛のことをAGA(男性型脱毛症)と呼びます。AGAの主な原因は男性ホルモンですが、男性ホルモンが分泌されたからといって直ちに髪が薄くなるわけではありません。
AGAを引き起こすのがDHT(ジヒドロテストステロン)です。DHTは、男性ホルモンの一つであるテストステロンが5α-還元酵素Ⅱ型という酵素の作用で変換されることで発生します。
DHTは頭髪のヘアサイクルを乱し、通常2~7年ほどの周期で生まれ変わる髪の成長を阻害するため細く弱った毛が生えるようになってしまうことがあるでしょう。その結果産毛のような髪が増加し、地肌が透けて薄毛の状態になってしまうのです。
男性ホルモンが分泌されたとしても、DHTに変換されなければAGAを発症することはありません。また、DHTの生産量は人によって異なるため、男性ホルモンの量が多いからといって必ず薄毛になるとは限らないのです。
無理に我慢する必要はない
上述のとおり、オナニーによって男性ホルモンが増加するという根拠はなく、仮に男性ホルモンが分泌されても、それが必ず薄毛に繋がるわけではないため無理にオナニーを我慢する必要はありません。それどころか、禁欲のストレスが薄毛のリスクを高めてしまう可能性があります。
しかし、オナニーが薄毛とほぼ無関係だからといって、1日に何度も射精していいわけではありません。
精子の中にはタンパク質やアミノ酸、ビタミンや亜鉛など、髪の生成に重要な成分が豊富に含まれています。射精をしすぎることによりこれらの成分が不足し、健康な髪の成長が妨げられてしまう恐れがあるのです。
そのためオナニーを我慢する必要はありませんが、栄養不足にならないようバランスのいい食事をとることを心がけましょう。
薄毛の予防は、禁欲よりも生活習慣を改善することがまず重要です。薄毛は遺伝の影響を受けやすいといわれていますが、その他にストレスや食生活、睡眠不足や喫煙なども原因として考えられています。
オナニーを我慢する前に、まずは薄毛の原因となる行動を見直してみましょう。
食事面では、髪の元となるタンパク質やアミノ酸はもちろん、タミンやミネラルなどの栄養をバランスよくとることを心がけてみてください。睡眠不足は成長ホルモンの分泌量を減らし髪の成長に影響を及ぼすため、良質な睡眠をとることも大切です。
喫煙やアルコールの過剰摂取も薄毛のリスクを高めるため、適切な量を心がけましょう。
おわりに
オナニーで薄毛になるというのは単なる噂に過ぎず、科学的根拠はありません。我慢をすることはストレスにも繋がりますので、無理な禁欲はおこなわないほうがよいでしょう。
薄毛のリスクを下げるためには、禁欲よりも健康的な生活を送ることのほうが重要といえます。
また、すでに薄毛の症状が見られる場合は、AGA外来などに相談に行くなどして、現状を把握すると、治療法が見えてくるでしょう。