痛い・痒い・赤くなる……頭皮にできものができた場合の治療法と注意点まとめ
シャンプーをした時やクシでとかした時など、頭皮に痛みが走ることはありませんか？鏡で確認して初めて、頭皮にできものができていることに気付くケースが多いようです。
顔と違いなかなか自分の目で見る機会のない頭皮だけに、トラブルには鈍感になりがち。頭皮にできものができた場合はどのような治療をおこなえばいいのか、理解しておくことが大切です。
頭皮にできるでものの症状
顔にできるニキビなどのトラブルと違い、頭皮のトラブルは自分では気づきにくいものです。痛みや痒みを伴う症状が発生してから、ようやく気付くというケースも少なくありません。
頭皮トラブルの具体的な症状には次のようなものがあります。
1.頭皮ニキビ
2.脂漏性皮膚炎
3.乾癬
頭皮ニキビはその名の通り、頭皮にできるニキビのことです。ニキビは顔や背中に限定してできるものだと思われがちですが、頭皮にできることもめずらしくありません。赤みを帯びたニキビや化膿したニキビなど、頭皮ニキビは痛みを伴いやすいという特徴があります。
また、皮膚の常在菌によって発生する脂漏性皮膚炎や、免疫機能の異常が原因で起きる乾癬が頭皮にできることもあるでしょう。では、これらの頭皮トラブルはどのような原因で発生するのでしょうか。
頭皮のできものは何が原因？
頭皮トラブルの原因は、症状によって異なります。ニキビ・脂漏性皮膚炎・乾癬の3つの原因をそれぞれみていきましょう。
頭皮ニキビ
頭皮ニキビは、皮脂が詰まることで起こります。直に確認できないため気づきにくいですが、頭皮も顔と同様に皮脂が分泌されている部位です。皮脂は皮膚をホコリや紫外線から守る役割を担っており、健康な皮膚を保つ上で欠かせません。
しかし、皮脂の過剰分泌や肌のターンオーバーの乱れが起きると、皮脂が毛穴に詰まり、アクネ菌と呼ばれるニキビの原因菌が繁殖してしまいます。その結果、赤みや痛みを伴う頭皮ニキビが発生してしまうことがあるでしょう。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、皮膚に棲むマラセチア菌が異常繁殖することで起きる皮膚の炎症のことです。マラセチア菌は皮脂を好む真菌で、何らかの理由により頭皮の皮脂が過剰分泌されると、マラセチア菌が繁殖しフケや痒みなどの症状が現れるようになります。
脂漏という名前から脂性の人のみに発生する皮膚炎だと思われがちですが、乾燥していても脂漏性皮膚炎になることがありますので要注意です。
乾癬
乾癬は、赤い発疹の上にかさぶたができ、フケのように剥がれ落ちる皮膚病です。脂漏性皮膚炎と混同されがちですが、脂漏性皮膚炎は乾癬のように患部が赤く盛り上がることはありません。
原因についてはまだ解明されていませんが、ストレスや薬剤、感染症などの影響により、免疫異常が起こることで発生すると考えられています。また、カンセンという名前から感染する皮膚病と勘違いされがちですが、他の人に感染することはありません。
できものを治療する方法と注意点
頭皮のできものを治療するためには、患部を清潔に保つことが大切です。
皮脂の詰まりは頭皮ニキビの原因になりますので、きちんと洗髪をおこない、皮脂の詰まりを解消していきましょう。頭皮が湿った状態が続くと菌が繁殖しやすくなるため、洗髪後はドライヤーで頭皮を乾かすようにしてください。枕カバーやタオルはこまめに交換しましょう。
しかし、清潔にすることが重要とはいえ、一日に何度も洗髪をおこなえばいいというわけではありません。皮脂を取りすぎることで、頭皮の免疫力が落ちニキビの原因菌が繁殖してしまうケースもあります。脂性肌の人は皮脂詰まりを解消できるシャンプーを、乾燥肌の人は余分な皮脂のみ落とすことのできるシャンプーを選ぶとよいでしょう。
また、不規則な生活や寝不足、偏食やストレスも頭皮の免疫力を弱め、肌トラブルを発生させる原因になる場合があります。外側からのケアと合わせて、内側から体質の改善をおこなうことも大切です。
脂漏性皮膚炎や乾癬は、セルフケアだけで解決することが難しい皮膚の病気であり、盛り上がりのある赤みや多量のフケ、悪臭などの症状が見られる場合は、自分だけで解決しようとせず、皮膚科に相談し適切な治療を受けるようにしましょう。
おわりに
頭皮のできものは、見た目にはわかりづらいものの、痛みや痒みを伴うことが多いためストレスの原因になります。痒みを我慢できず掻いてしまうこともあるかもしれませんが、患部を掻くことで傷口から細菌が侵入し、症状が悪化する可能性もあるため掻かないように注意しましょう。
吹き出物や赤い発疹などの症状が長引く場合は、無理に我慢せず皮膚科で相談するようにしてください。専門医の診察を受けることで、頭皮の状態を正しく理解することができ、安心して治療に取り組むことができるでしょう。
