亜鉛は髪の成長に必要な栄養素!亜鉛の必要摂取量と効果的な摂取方法とは
「亜鉛が不足すると薄毛になる」「髪を生やしたいなら亜鉛を摂取すると良い」――このような話を耳にした方もおられるでしょう。亜鉛が髪の毛にさまざまな影響を与えることは有名ですが、亜鉛がどのような栄養素なのか、どういった働きをするのかについてはあまり知られていません。
そこで今回は、亜鉛と髪の関係、亜鉛の効果的な摂り方についてご紹介します。亜鉛を上手に摂取し、髪の悩みから解放されましょう。
亜鉛は髪に重要な栄養素
亜鉛は非常に身近な成分で、骨、皮膚、脳や肝臓など、私たちの体内にも存在しています。亜鉛は生きていくために必要な必須ミネラルのうちの一つですが、体内で作り出すことはできません。そのため、不足しないように食事などから摂取する必要があります。
亜鉛は皮膚や髪の成分であるタンパク質を合成する役割を持っており、健康な肌や髪を作り出すうえで欠かせません。育毛剤などを使用し外から栄養を与えても、亜鉛が不足していては丈夫な髪を生やすことは難しいのです。
そして、亜鉛は育毛をサポートする他にもさまざまな役割を担っています。例えば、味を感じ取る機能「味蕾〈みらい〉」の働きを正常に保っているのも亜鉛です。亜鉛が不足すると、味細胞の新陳代謝が悪くなり味覚障害が起きてしまう可能性があります。
その他にも、免疫力の向上や成長・発育のサポート、筋肉増強や生殖機能の改善など、身体にとって重要な働きをしている成分です。
亜鉛の摂取量と効果的な摂り方
亜鉛を効果的に摂取するために、まずは一日の摂取量を理解しておきましょう。厚生労働省がまとめている「日本人の食事摂取基準」によると、18歳~69歳の男性で一日10mg、女性は8mgが一日の推奨量となっています。
食材から摂取することが可能ですので、亜鉛が不足しないよう、食事からきちんと摂るようにしましょう。亜鉛が豊富に含まれている食材は魚介類、肉類、豆類、野菜などで、特に牡蠣やうなぎの蒲焼、豚レバーやタラバガニなどに多く含まれています。
そして、亜鉛の吸収率をサポートしてくれる栄養素を摂取することも重要です。クエン酸やビタミンCは亜鉛との相性が抜群ですので、これらの栄養素を豊富に含んだレモンやライム、イチゴなどを食事に取り入れてみましょう。
また、亜鉛不足が解消されたとしても、髪を作るために必要なタンパク質やビタミン類が不足していては、健やかな髪の成長は期待できません。髪の主成分であるタンパク質と、タンパク質を分解する際に必要なビタミン類もきちんと摂取するようにしてください。
生活の改善も忘れずに
丈夫で抜けにくい髪を育てるためには、亜鉛やタンパク質などの摂取が欠かせません。しかし、栄養をきちんと摂取したとしても、栄養を届けるために重要な血液の流れが悪ければ、健康な髪を生やすことは難しくなるでしょう。
薄毛や抜け毛を予防・改善していくためには、栄養の摂取はもちろんですが、それだけでなく生活習慣を改善することも大切です。運動不足や冷えは血行を悪くする原因になりますので、適度な運動を心がけ、身体を冷やさないよう注意しましょう。
また、睡眠不足も髪に大きな悪影響を及ぼします。睡眠中は細胞の新生が活発に行われており、この間に髪の修復や成長が進んでいきます。髪の生成に関わる成長ホルモンは眠りについてから3時間前後までの間に多く分泌されますので、深い睡眠を取るということが重要になります。
睡眠時間が十分に取れないという場合でも、睡眠の質を上げることで成長ホルモンの分泌を促すことができます。寝具を身体に合うものに変えたり、リラックスできる音楽を聴いたりして睡眠の質の向上を図りましょう。
おわりに
亜鉛は髪にとって欠かせない成分です。しかし、亜鉛を摂ったからといって薄毛が確実に防げるわけではありません。あくまでも亜鉛は発毛・育毛をサポートする成分であり、薄毛を治療する成分ではないのです。
抜け毛が増えたり、薄毛が目立つようになってきたりした場合は、栄養の摂取だけでなく症状に合った治療を受けることも大切です。髪に不安や悩みがある方は、クリニックへ足を運び、薄毛治療に詳しい医師に相談することも検討してみましょう。