夏のじっとり汗を防ぐには?手汗・足の裏のベタつきを対策する方法


夏になると気になるのが全身にかく多量の汗です。顔やワキはもちろん、手足が汗でベタつくという方も多いのではないでしょうか。

時には手汗でプリントが濡れたり、汗が飛び散ったりすることもあるかもしれません。また、いつも以上に手汗が気になるこの季節は、恋人と手を繋ぐなどのスキンシップが取れない方もおられるでしょう。

そこで今回は、汗についていろいろ解説いたします。

夏は手足のベタつきが気になる季節

私たちの体は、体温が上がった時に発汗し体温を調節する「温熱性発汗」という働きを持っています。そのため猛暑で体温が上がりやすい夏は、いつも以上に汗の量が増えるのです。

しかし、汗は体温調節のためだけに出るわけではありません。たとえば、緊張した時や驚いた時など、手足に汗をかいた経験はありませんか?

人の体は緊張や興奮によっても発汗するように作られています。これを「精神性発汗」といい、手のひらや足の裏は特に精神性発汗が起こりやすい箇所です。

また、汗をかくこと自体がストレスとなり、このストレスが原因でさらに汗が増えてしまうというケースもあるでしょう。

ちなみに、温熱性発汗は手のひらと足の裏には出現しません。そのため夏場に手汗や足裏の汗が悪化する場合は、精神的な要因が関係していると考えられます。

「夏は汗をかく季節だから、手足の汗も増えるに違いない」このような思い込みや不安がストレスとなり、発汗量を増やしてしまう可能性もあるのです。

手足のじっとり汗を対策するには

手汗や足の裏の汗は精神面が大きく影響していることがわかりました。では、精神性発汗による手足の汗を抑えるにはどのような対策をとればよいのでしょうか。

自律神経を整える

もっとも重要なのは、精神状態を安定させ緊張や興奮による発汗を抑制することです。

人は緊張状態になると交感神経が優位になり、汗をかきやすくなります。そのため、交感神経が優位になりすぎないように自律神経を整えることが大切です。

自律神経を整えるために心がけたいのが、規則正しい生活を送るということです。

起床時間や就寝時間が不規則になっていませんか?不規則な生活は体内時計を狂わせ、自律神経を乱す原因になります。平日も休日も、できるだけ同じ時間に寝起きするようにしましょう。

また、入浴やストレッチで体をリラックスさせ、副交感神経を優位にすることも大切です。特に就寝前の状態は睡眠の質にも影響するため、寝る前にパソコンやゲームをしたり、激しい運動をしたりすることは避けましょう。

汗を気にしすぎることも発汗の原因となるため、できるだけ汗を気にしないように心がけることも大切です。

制汗剤で汗を抑える

手汗や足汗には塩化アルミニウム配合の制汗剤が効果的とされています。塩化アルミニウム外用制汗剤を気になる部分に塗布することで、汗腺を塞ぎ発汗を抑えることができるでしょう。

こちらは根本的な改善にはなりませんが、汗が抑制されることで不安が減り、精神性発汗による手足の汗が改善するケースもあります。

医療機関での治療も可能

手足の汗は精神面の影響を受けやすいため、自力でコントロールすることは難しいです。そのため、生活習慣に気を配っても汗が改善しない方もおられるでしょう。

手汗や足裏の汗を完治させたい場合、もっとも有効なのが医療機関で治療を受けることです。

代表的な治療方法には、薬物を用いて発汗を抑える薬物治療と、手術で交感神経を遮断する交感神経遮断術、熱で汗腺を破壊するビューホット治療があります。薬物治療はもっとも手軽な方法といえますが、薬の作用により一時的に症状を抑えているにすぎず、根本的な解決には繋がりません。

交感神経遮断術は両ワキから内視鏡を挿入し、交感神経の束を切断して発汗を抑える治療法です。切開部分は数ミリ程度で傷跡が残る心配はほとんどありません。

しかしこの手術には、代償性発汗と呼ばれる副作用が伴います。代償性発汗とは、手足や顔の汗が減る代わりに胴や太ももなどからの発汗が増える症状のことで、高い確率で発生するということを覚えておいてください。

一方、ビューホットは切開することなくRF波で汗腺を破壊するという治療法です。照射針によって患部の汗腺を直接破壊することができるため、傷跡が残る心配はありません。

施術は両手で20分程度と短く、ダウンタイムがほとんどないというのが特徴です。また、交感神経遮断術のように代償性発汗が起こるリスクもありません。

従来の方法に比べ、ビューホットなら少ないリスクで効率的に治療できるといえるでしょう。

おわりに

手のひらや足の裏の汗は、さまざまな場面で足手まといになりがちです。特に夏場は発汗量が増えやすいため、いつも以上に汗が気になり日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。

自律神経を整えることを意識し、過度に汗を気にしすぎないということが大切です。症状が深刻な場合は、医療機関での治療も検討してみましょう。

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